月別アーカイブ 2025年3月

感染症対策について

トイレのふた、閉めるべき?――ノロウイルス感染リスクを減らすための新知見

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)センシングシステム研究センター 福田 隆史 総括研究主幹、安浦 雅人 主任研究員、河合 葵葉 リサーチアシスタントは、国立大学法人 金沢大学 理工研究域フロンティア工学系 微粒子システム研究グループ 瀬戸 章文 教授と共同で、水洗トイレから発生する飛沫(ひまつ)の挙動を、湿度制御下における粒径分布・空間分布といったさまざまな観点から捉え、可視化しました。また、ウイルス粒子を含む飛沫の飛散を分析し、汚染リスクの評価に成功しました。

「便器のふたを閉めて流してください」は衛生的か?というタイトルで研究結果を発表していますので、

その内容をご紹介します。

トイレ使用後の水洗時に発生するエアロゾルとは?

トイレで水を流す際、目には見えない微細な水滴 "エアロゾル" が発生します。このエアロゾルには、ウイルスや細菌が含まれる可能性があり、空気中に長時間漂うことが知られています。特にノロウイルスは感染力が強いため、エアロゾルを通じた感染リスクが懸念されています。

便器のふたの開閉がエアロゾル拡散に与える影響

産業技術総合研究所(産総研)の研究によると、便器のふたを閉めて水を流した場合と開けたまま流した場合では、エアロゾルの拡散範囲が大きく異なります。

  • ふたを開けたまま水を流した場合 → エアロゾルが約1.5m以上拡散し、周囲の空間に広がる。

  • ふたを閉めて水を流した場合 → エアロゾルの拡散が大幅に抑えられる。

便器のふたを閉めて水を流すことで、上方へのエアロゾルの拡散が抑制されることが示されています。ただし、ふたを閉めた状態でも、使用者側に約15 cm程度の距離までエアロゾルが漏れ出すことが確認されています。

さらに、環境湿度が高い場合、エアロゾルの発生量が増加することが分かっています。具体的には、相対湿度30%と70%を比較すると、エアロゾルの総体積が約4.6倍増加するとのことです。

これらの結果から、トイレ使用時には便器のふたを閉めて水を流すことが、エアロゾルの拡散を抑制し、感染リスクを低減する効果的な方法であると考えられます。

■興味深い模擬ウイルスの付着データ

上記のデータは、ふたを閉めた状態でも模擬ウイルスがトイレ周辺に付着することが確認されました。特に、便座裏やふたへの付着は予想通りでしたが、意外にも壁への付着率が高いことが明らかになりました。

これにより、「ふたを閉めて流すことの重要性」や「除菌すべきポイント」が数値として示され、大変参考になります。

サービス業や公共施設では、利用者全員にふたを閉めて流すことを徹底するのは難しいかもしれません。しかし、オフィスや施設など、特定の人が利用するトイレでは、ルールを決めて実施することも可能でしょう。

また、清掃時やジェスパでの除菌の際は、壁面もしっかり行うことが重要であることが分かりました。

現在、ノロウイルスが各地で流行しています。トイレ個室内の除菌を徹底し、感染リスクを最小限に抑えましょう!

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感染症対策について

感染性胃腸炎が過去10年で最多!ノロウイルス対策

2025年3月5日の報道によると、 感染性胃腸炎の患者数が過去10年間で最多 となりました。特に ノロウイルスが原因となる集団感染 が、飲食店や施設を中心に相次いでいます。

国立感染症研究所によりますと、先月23日までの1週間に全国の3000の小児科から報告された感染性胃腸炎の患者の数は、1医療機関あたり10.32人にのぼりました。

ノロウイルスは、 「ノンエンベロープウイルス」 に分類されます。これは、 ウイルス表面に脂質の膜(エンベロープ)を持たない という特徴を持つため、 一般的なアルコール消毒では効果が弱い のです。

  • エンベロープウイルス(インフルエンザなど) → アルコールで不活化しやすい

  • ノンエンベロープウイルス(ノロウイルスなど) → アルコールに抵抗がある

■カギはトイレの衛生管理

ノロウイルスは 非常に感染力が強い だけでなく、 アルコール消毒が効きにくい 特徴があります。そのため、一般的な消毒方法では不十分で、 適切な対策をとらないと感染が広がりやすくなります。

さらに、 便やおう吐物にウイルスが含まれている可能性があるため、トイレがノロウイルスの感染源 となるケースが多く、特に 便座の裏や床、ドアノブ などの衛生管理が感染拡大を防ぐカギとなります。

ノロウイルスの感染経路は主に以下の3つです。

  • 接触感染(感染者が触れた場所を介して感染)

  • 飛沫感染(吐しゃ物の飛沫が乾燥し、空気中に舞うことで感染)

  • 経口感染(汚染された食品や水を摂取して感染)

特にトイレはノロウイルスの温床になりやすい場所 です。トイレ内のどこに注意すべきかを見ていきましょう。

  • 便座の裏・フタ → ウイルスが付着しやすく、掃除を怠ると広がりやすい

  • トイレの床 → 吐しゃ物や飛沫が落ちやすく、足裏から拡散するリスク

  • ドアノブ・レバー → トイレ使用後に触れるため、ウイルスが付着しやすい

トイレ清掃は 目に見える汚れだけでなく、見えないウイルスを除去することが重要 です。

正しいトイレ清掃方法

  • ジェスパを使用

  • 便座の裏やトイレのフタも拭き取る

  • 床やドアノブ(特にトイレの使用後は重点的に)

流行中はジェスパを常備しておきましょう。

ペーパータオルストリーム

こちらは、流せるペーパータオルです。

ジェスパ除菌後に、拭き上げてそのままトイレに流せます。

取引中のお客様には、無料サンプルをお送りしていますので、

お気軽にお申し付けください。

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